マイ・プライベート・アイダホ

昨日の晩は久方ぶりにこの映画を見て、そのまま寝ちゃいましたよ(^_^;)

最近、前に見た映画を見直してみるのがプチ・マイブームなんだけど、見直してみるとやっぱり好きだと思った映画はいいな、と。

この映画の主演のリバー・フェニックスは、23歳という若さでこの世を去ってしまったんだけど、大ヒット映画『スタンド・バイ・ミー』で既に高く評価されて有名になっていたし、亡くなった時も世界中で大ニュースだった。
『マイ・プライベート・アイダホ』の監督はガス・ヴァン・サント。
この映画とその前に撮ってた『ドラッグストア・カウボーイ』で広く世界に名が知れたような印象がある。

この映画はすごくクセのある映画なので、好き嫌いははっきり別れると思うんだけど、私はすごく好き。
リバーくんは、奔放に生きる行方知れずの母親への思慕を抱き続ける男娼で、年の離れた兄が実の兄弟であるにも拘らず、実は自分の実の「父親」であることも知っていて、そんな複雑な家庭環境も彼を色々と歪めてナイーブな人間にしてしまってるのね。
そして、このマイクという役の最大の特徴は『ナルコレプシー』という持病を持っていること。
これは極度に緊張すると意識を失って眠ってしまうという奇病なのね。

一方、このマイクの親友の男娼が、キアヌ・リーヴス演じる、市長の息子スコット。
彼はレールを敷かれた自分の人生に嫌気が差し、家出して体を売り、ドラッグに耽るストリート生活を続けているのよ。
だけど彼はいつまでもこの生活を続ける気など無く、21歳になって財産を相続できることになったら、驚くほどの転身を見せて世間や父親を欺き見返してやろうと思っているわけね。

時所構わず意識を失ってしまうマイクの面倒を見てくれるのはいつもスコットで、マイクはスコットに恋をしてる。
一緒に3Pすることはあっても(爆)プライベートではキスしたこともない。
スコットは金のためなら男に体は売るけど、男同士が愛し合っちゃいけないと思ってて、事実映画の後半、マイクの母親の消息を辿ってローマまで行った時、現地で知り合ったイタリア人の少女と恋に落ちて、マイクとは別行動を取るようになりそのまま別れてしまうのね。

まあ、このスコットという男の冷たさったらないわけよ!(^_^;)

2人でマイクの母親を探しに行く旅に出るんだけど、途中野宿して焚き火に当たりながら、マイクがスコットに自分の気持ちを告白するシーンがあるんだよね。

このシーンのリバー君の演技が(いや、全編通して素晴らしいんだけど)本当に繊細で、あざとくなくて、まさに天賦の才能と言わざるをえない絶賛するしかないような演技なのよ。
大体、これほどの難役になると、若い俳優さんは気負っちゃって、熱演してもあざとい臭いがしちゃうのが自然だと思うけど、リバーくんとマイクは同一人物なんじゃないかと思うぐらい自然。
キアヌの方はやっぱりちょっと気負いが見えるんだけど、でも素晴らしい。

スコットはマイクの告白に応えてはくれないけど、いいから今日はここで俺と一緒に寝よう、とマイクをしっかりと抱きしめて一緒に眠ってくれるのよね。

当時は2人にそんなに年齢差があるとは感じてなかったんだけど、実際にはキアヌの方が6歳年上でちょっとびっくり。

そして何よりも、当時のキアヌ・リーヴスの美しいこと!!!!

最近はジョン・ウィックが当たり役だけど、同じ人とは思えない(笑)←やめんかい

スコットはマイクが自分に思いを寄せていることを知りながら、イタリア人の恋仲になった女の子と寝てるのを隠そうともせず、あげく彼から離れていく。
そして父親の市長が死んで、あとを継ぐことになった後は、ストリート生活をしてる時に世話になっいた(というか”男”にされた)ボブという胡散臭いおっさんや仲間たちにも冷たく背を向け、そのショックでボブは死んでしまう。
それでも氷のような美貌を崩すこと無く、冷徹な表情で彼らを無視するスコット。

スコットという人がこれまた複雑で、本心の掴みどころがないのよね。
アメリカに連れ帰ったカルミラも、今は愛されてるけどいつどこで簡単に捨てられるか分かんない感じでさ(^_^;)

映像の表現も独特で面白いし、何しろ若くて美しいリバーくんとキアヌの絡みを見るだけでも価値はある!(笑)
この二人はプライベートでも仲が良くて、昔雑誌の対談でキアヌがいつか『ロミオとジュリエット』をやりたいと笑いながら話してたことがあったのね。
その時、リバーくんが「だったら僕がジュリエットだ」と笑いながら言ってて。

その後、リバーくんが亡くなった後、キアヌが「僕のジュリエットはどこに行ってしまったんだろう」とインタビューで言ってて、すごく泣けたのを覚えてる。

ショッキングなシーンも多いけど、萌えシーンも多いです(笑)

未見の方はぜひぜひ。

ではでは、今日はこれにて〜〜☆

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