本当に、まだ全然と言っていいぐらい実感ないし、信じられない気持ちしかないんだけど、ブラック・パンサーでティ・チャラを演じた、チャドウィック・ボーズマンさんが大腸癌のために亡くなった。
43歳という若さで。
癌が見つかったのは2016年、すでにステージ3だったそう。
2016年といえば、シビルウォーが公開された年で、それはすなわちMCUにティ・チャラが初登場した年でもあったわけで。
公開と同時に強烈なインパクトを放ち、初登場の瞬間に観客の心を鷲掴みにしたと言っても過言ではないと思う。
この初登場のシーンだけでティ・チャラの高潔さを表現できたのは、偏にチャドウィック・ボーズマンさん自身の資質が大きく作用したからだと思う。
それまでにも既に素晴らしい作品を残してはいたけど、シビル・ウォーの公開を境に彼の人生は大きく変化しただろうし、ここからさらに大きく飛躍したのは周知の通り。
だけど、実際にはこの輝かしい年に彼の体を病魔が襲っていたとは……
遂にやってきた人生の黄金期だったというのに、癌に見舞われた自身の不運をいったいどうやって対処したのか。
自身も密かに闘病を続けていたのに、スーパーヒーローとして病気の子供を見舞っていたチャドウィックさん。
闘病だけでも大変だったろうに、その中でトレーニングを積んでブラック・パンサーを演じ切ったわけよね。
それ以外にもこの4年で何本も作品を残し、これから公開される作品も数本あると言うんだから、それはまるで自分の運命と競争したようにも思える、今となっては。
思えばMCUのフェーズ4の予定の中にブラック・パンサー2が含まれてなかったのも、今から思えば彼の病気も関係していたのかと思えてしまう。
ブラック・パンサー2を期待する声を聞くたび、彼はどんな思いをしていたのだろう。
聖人君子じゃないんだから、いくら人間が出来た人でも、絶望と悲観に眠れない夜もたくさんあっただろうし、自分の運命を恨めしく思ったことも何度もあったと思う。
それでもきっと彼は常に前向きに、自分にできる限りのの事をやり遂げたんだと思う。
彼がこの先成し得たであろう素晴らしい仕事も、人生の輝きも、計り知れないけれど。
数多くのMCUでの共演者や、それ以外の映画関係者、著名人が彼を追悼してるけど、生命を出せないままの人達もいる。
シュリちゃん役のレティシア・ライトや、キルモンガー役のマイケル・B・ジョーダンは、すぐには無理だよね……
運命は時に残酷過ぎると思う。
どうか安らかに、陛下。